SLOGUN

ジャンルの細分化が声高に叫ばれる昨今であるが、細分化されたのは音楽だけではない。我々の生活も個別に細分化され、それぞれのリアリティーが生活圏のなかで構築されていく。そのリアリティーに基づいて音楽を聴取し、体感し、そして信じているのである。故に、私は思うのだがこのようなゲリラ戦の様相を呈してきた世界で、いかに音楽と関わるのか。一つの答えとして「レーベル」というものを再考し、またその思弁の軌跡を常に「現場」と「ネットワーク」上にドロップし続けることを実践することで、リアリティーの本質に迫り、また誠実な表現者、生活者として存在することができるのではないだろうか。故に、作品も自律したものであるから、全ての私たちのアクションにはレーベル番号が振られている。このサイトは「マイナス000」番である。

CMLは三人のプロデューサーがアイディアを出しながら運営する運動体である。ライブを企画し、録音をしてリリースし、またオリジナルピースのプロデュースとマネージメントを行う。活動範囲は音楽に限定されたものではない。アイディアを実行に移せる媒体ならば全て利用することになる。

ネパール発のGorgeというジャンルがある。音楽ジャンルというより、音楽表現の実践形式そのものの様態をさすかのような奔放さで(本来の意味での)インディーシーン(インディー”ズ”ではない)で多くの共感を得ている。私たちはGorgeを基軸に交わり、現在進行形の民芸運動のようなレーベルを始動させた。

クリフハンガーとは、作劇手法の一つであり、物語を宙づり状態にして中断し、観客の期待値を煽るものである。重要なのは保留されることによって獲得されるイマジネーションのフィールドである。私たちにとって、ワンプッシュ(リリース)の一発一発が進行中の物語のクリフハンガーである。連綿と続くであろう表現の広野へ向かい、一つのリリースが次のリリースを予感させるものになる。イマジネーションのなかで人はフリーになる。そしてその着想のなかで夢想することが日々の糧になる。もちろん、一つ一つのピースにクオリティーコントロールは怠らない。半端な作品を出すということを意味しているわけではない。完全体に近いピースこそが人を熱狂させるのだから。

文責:ナパーム片岡(CML.tokyo/forestlimit)